温風至 (あつかぜいたる) 2021年7月8日 朝の様子・季節の話題

今朝はまた雨が降っていました。本日の話題は、現在の七十二候にちなんだお話です。

この時期に吹く風

昨日の南三陸町では、織姫と彦星の涙と言われる「催涙雨(さいるいう)」が一日中降る日となりましたが、一昨日はこの七十二候通り、暖かい風が吹いてくるような日でした。

この時期に吹く風についてネットで調べてみたところ、梅雨の時期に海から吹く南東の風のことを「いなさ」と呼ぶようですね。

この「いなさ」という呼び方は主に関東で使われているとのことですが、漁師だった私の父も風についての話をする際にはよく「いなさ」という表現を使っていました。

風を題材とした七十二候は、立春の頃以来となりますが、2月の上旬に置かれたその七十二候は「東風解凍(こちこおりをとく)」というものでしたよね。

「こち」というのは東風のことを指していて、「東風が厚い氷を解かし始める時期」という意味でしたが、この「こち」という呼び方も、父がよく使っています。

父が「いなさ」とか「こつかぜ」という表現を使うたび、なぜ誰も使わないような風の呼び方をするのか気になっていましたが、七十二候で取り上げられている特別な風と繋がっていると知り、今になってそれらの呼び方に興味が湧いてきました。

きっと「いなさ」や「こつかぜ」には、この地域にとって重要な意味があるんでしょうね。

地元の漁師が使う風の呼び方について、あとで父に詳しく聞いてみようと思います。

(かなっぺ店主 千葉)